芸術家の涸れることのない感動

母方の遠い親戚にあたる　日本画家の石本　正氏より　招待状をいただき、、秋晴れの一日　上野の森散策も兼ねて、母と二人で都美術館に　創画会（そうがかい）（日本画のみを対象とした画壇のひとつ）に行ってきました。
日本画　というと　前田青邨、　横山大観、　伊東深水、竹久夢二、加山又造 、東山魁夷、平山郁夫 らの絵画が浮かぶのですが、今回展示されていた絵画は　想像と違ってかなり抽象的なものが多いのにとても驚きました。

最近は　なぜか　コンサートにいくと　人生、音楽家として生きていこうと決心された若き日の演奏家のみなさんの情熱が重なってしまうのと同様に、絵画に触れると、絵を一生描き続けて行こう！と決心された若き日の画家のみなさんの情熱が重なってそれだけで　胸が熱くなってしまう私です。

今回　招待状を送ってくださった　日本画家　石本正氏　は　母とは　幼馴染です。二人が出会ったのは、今から７０年以上も前、まだ二人とも１０代のころで　石本氏が島根より上京された際に東京の遠い親戚でもある母の実家で、しばらく過ごされた時のことだそうです。　そのころの、石本氏は　医学の道を進むかどうか迷っていらっしたようです。やはり　不確実な画家の道を選ぶのは　とても勇気のいることだったのだと思います。それでも、母の話ではちょっとした　ハガキなどには　必ず　洒落た絵が必ず描き添えられていたそうです。その後　最終的には京都の美術学校に入学され　画家としての道を歩まれることになるのです。

第３回日展で「三人の少女」が初入選。本格的に画家の道を歩まれていきます。１９６１年発表の「桃花鳥」は文部省買い上げとなり、この頃から石本氏独特の舞妓や裸婦を積極的に描かれるようになっていきます。

私は　数年前　日本橋高島屋で絵画展が開かれたとき、石本氏にお会いする機会がありましたが、氏の自論

　「対象を見た時の感動をそのまま画面に定着させるのが最も大事な事です。」

のとおり　８０歳を過ぎてからも　不思議なことに描き続ける源となる　感動が　決して涸れることなく次々に溢れ出てくるのだとおっしゃっていました。まさに感動を呼ぶなにかは真の感動から創造されていくのですね・・・・

２００１年には　ふるさと島根県浜田市に　
日本画家　石本正の美の世界～石正（せきしょう）美術館が開館されました。
　
独特のコンセプトのこの美術館は　とても素晴らしかったです。一度、訪ねてみる価値があります。

写真（左上）は
石本正「舞妓立像」（１９７４年・２００８年加筆）


今年、石本氏は米寿を迎えられ、その記念日本画展が開催されています。

 
　
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